2020年3月27日金曜日

私の庭づくり

 世界中に猛威をふるうコロナウイルス。
その影響を受けて、早2週間近い軟禁状態が続いています。
人との接触を避けなくてはいけなくても、庭にいる分には大丈夫。
お天気が良くなってきてこれ幸いと、例年より早い庭仕事を楽しんでいます。

 先日買い物に行こうと近所の「師匠」の家の前を通ったら、師匠は相変わらず楽しそうに庭仕事をしていました。
近くでおしゃべりしたいけど、もちろん今は許されません。お耳も少し遠いから、声をかけても申し訳ない。あっ、やってるな♪ ってお見かけしただけで通り過ぎました。今年も師匠のお庭は綺麗になるだろうなあ。。楽しみだなあ。。と思いながら、フッと数年前に彼女と立ち話をした時に聞いた、嬉しい言葉を思い出しました。

 It's my size.
彼女のお庭は、本当にたくさんの種類のお花が咲いています。どの植物も大切にされている感じが伝わってくるので、とても気持ちが良いのです。
そして、その手入れをいつも一人でやっています。彼女にとって庭仕事は、日々の楽しみそのもの。それが土の上に座っている後ろ姿からも感じます。そんな彼女と憧れの庭について話した時に、彼女が何気なく言った It's my size. という言葉が私にはとても嬉しく響きました。日本語でもね、同じ言い方があるの。身の丈。大きなお庭はそれは羨ましいけど、小さなお庭に隅々まで心を込める。それが楽しいよね。っと意見が一致したのでした。

 今年も早速前庭には仕掛けを施しました。


 私にとって前庭は、道ゆく人とコミュニケーションをとる罠みたいなもの。
私が前庭にいると、よく色々な人が声をかけてくれます。それが嬉しいし楽しいから、そんな話題になりそうな罠を色々仕掛けてあるのです。

 そして裏庭の理想は、果樹園であり、農場であるということ。
夢はこんな感じなのですが、まあ、手がいきどかないから、すごいことになってたりもする。。。





 野趣溢れる庭、というオブラートに包んで自分を甘やかしたりしてるけど、それでも自分が育てた野菜が食卓に上るのは、嬉しいひととき。今年もたくさん楽しみたいと思います。

 知人の植物学者 塚谷裕一さんが、30年ほど前大学院生だった頃朝日新聞の論壇に「落ち葉はゴミか」という文を載せました。私も常日頃から綺麗に整えられすぎる庭に違和感を持っていたので、拍手を持って読んだことを覚えています。
私たちの世代が子供の頃には農薬の弊害が指摘され、有機農業という言葉はあっても、まだ社会は落ち葉を「堆肥」として活用するほどの動きはなかったのです。
今は「耕さない農業」という考えすらあるということに、時代の移り変わりを感じます。

 毎年たくさんの方に喜んでいただく「吉原桃」ですが、それを植えたのも、甲虫がよく遊びに来てくれるように。バタフライブッシュや色とりどりの花もたくさんの蝶のために。赤い花々はハチドリのために。
今朝も、杏の木に綺麗なキツツキが遊びに来ていました。

 今年も、ムカデ、ナメクジそしてアブラムシだって仲良く暮らす「野趣溢れる庭」を作っていきたいと思います。師匠と同じく、身の丈サイズを楽しみながらね。。。😊